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ニュージーランド南島編
スノーボード事情(Queenstown)
語学を学ぶため------というのはタテマエで、ほんとはスノーボードがしたくって、ニュージーランドへのワーキングホリデー決行。まずは、一応、語学学校へ通いつつ、冬の間はスノーボードにあけくれた。
シーズン中の滞在地は南島のクイーンズタウン。湖と緑に囲まれたちいさな街。ちいさ過ぎて、あまりにも地味でちょっとがっかりした。けれど住めば都、初めての海外長期滞在の私には、治安も良く、人も親切で、安心して暮らせる街だった。
クイーンズタウンの街からは、コロネットピーク、リマーカブルズ、両ゲレンデまで、車で20〜30分くらい。
コロネットピークスキー場の方が初心者&ファミリー向けで、車でのアクセスも楽。リマーカブルズスキー場へは、石がゴロゴロした、狭い山道を登って行くので、車でのアクセスがちょっと大変だが、スノーボーダーにはウレシイボードパークがある。ただし、日本のスキー場のボードパークのように、整備が行き届いていないので、気を付けて。
たいていの長期滞在者は、中古車を購入して車でアクセスしてるけど、私は車買うのももったいないし、それより第一に運転がキライなので、ゲレンデへのアクセスは友達の車に便乗、もしくはヒッチハイク。ウェア着て、ボード片手に親指立ててたら、結構乗せてくれるもんだ。(*^_^*)b Hey!!
コロネットピークがリフト6本、リマーカブルズがリフト4本と、リフトの数から察しがつくように、そんなに広くはない。
でも、日本の有名ゲレンデのように込み合うこともないので、の〜んびり滑れる。('99.5〜9)
ミルキーブルーの湖、テカポ(Lake Tekapo)
私がニュージーランドで一番きれいだと思う場所、それがテカポの湖。クライストチャーチとクイーンズタウンの中間くらいに位置する小さな町テカポ。テカポなんて響きがなんともカワイイ。冬、雪をまとったサザンアルプスの山々をバックにミルキーブルーの湖の色が絶妙のコントラストで、その完璧なまでのお姿は一発で私のハートを貫いた。
『かよこの世界10景』に堂々トップ入りするすばらしさだ。
湖畔には善き羊飼いの教会(Church of Good Shepherd)という小さなかわいい教会がある。
教会に入ると、正面には、ステンドグラスではなく、大きな窓がある。この窓から望むサザンアルプスの山並みに向かってお祈りする事ができる。
テカポへ行ったら是非、訪れて欲しいのが、レストラン『湖畔』。ここのサーモン丼がウマイ!
酢メシをベースにサーモンが惜しげもなくどっちゃりのっかってる。わさび醤油をぶっかけて、口いっぱいにほおばる。久々の和食に海の向こうの日本を想い、目頭を熱くする。ホントはわさびがききすぎちゃっただけなんだけど。(^^;)
生サーモンと酢メシとお醤油のハーモニー、あぁ、なんて素晴らしいんだろう(*^-^*)ゞ ごはんをホジホジすると、な〜んと、またサーモンが出てきた!このサーモン丼は上から、サーモン、ごはん、サーモン、ごはんと、2段式になっていた。これでもかっ!ってくらいサーモンが食べられる。
お味噌汁とおしんこ付きで$14 約900円。ワーキングホリデー中で貧乏な私には、それは、それは贅沢なお食事だった。('99.8)
フォックス氷河(Fox glacier)
南島の西側、ウェストランド公園のフォックス氷河のグレイシァウォーク。私が参加したのは、全日(7時間)コース$60 約3,900円で朝9時にランチ持参で出発。
もうすぐ春だというのに、息が白く見えるほど寒く、おまけに小雨まで降っている始末。こんな天気で氷河を歩けるのか不安に思いながら、オフィスで借りたカッパを着て出発。目前にそびえる氷河は、ガイドブックの写真で見たような氷の青さはなく、茶色く泥だらけで、ビジュアル的な期待を大きくはずしてくれた。どうやら数日前、ドピーカンの天気が続き表面が溶けてしまったらしい。
もともと山歩き系初心者の私は最初の30分くらいで、ゼーゼーいって『あと6時間半も歩くのかー』と気が遠くなった。さらに30分程歩いた所から、氷河の道無き道は険しくなり、途中、簡易アイゼンというトゲトゲの金具を靴の裏に取り付け、気分も本格的になってきた。
氷河ウォークは1人のガイドと10人くらいの参加者が一緒に歩く。かなりきわどい崖っぷちも歩く。一歩間違えば、5メートルはあろうかという氷の谷へまっさかさまだ。命が惜しい私たちは、なるべくガイドのすぐ後ろを歩き、ひっぱりあげてもらったり、なにかとちゃっかりガイドの手を借りた。
雨は相変わらず降ったり止んだりで晴れることはなく、体は冷え冷えになっていた。『もう、ヘトヘトだ〜、寒いよ〜』と泣き(;>_<;)がはいった頃、折り返し地点に到着。ってことは、ここが、私たちの行ける最高頂になるわけだ。高い位置に来ると、気温が低いせいか、氷は醜く溶けたりしてないので、なるほどそいつは青かった。そのクールな青さはなんとも表現できない、白くて青いっていうかソーダアイスみたいな、そんな感じ。うん、歩いて良かった!寒さも疲れもふっとんだ。('99.9)
親友ケンイチとの出会い、そして死
初めてケンイチと会ったのは、1999年5月、クィーンズタウンの語学学校の初級者クラスで。となりの席の彼はジャージ姿で、どう見ても“小僧”って感じだった。私たちはそのクラスで一緒に学び、一緒に成長した。クィーンズタウンでは、2ケ月程一緒だった。みんなで旅行へ行ったり、丘にトレッキングに行ったり、言葉も分からないのに、映画を見たり。何をするんでも、メンバーの中にケンイチが加わると、賑やかで楽しかった。そして、“ケンイチ居る所にトラブル有り”という感じで、車がガス欠になったり、タイヤがパンクしたり、何かしらのトラブルが付いてまわった。ケンイチはどんなトラブルでもそれを楽しんでしまう、大らかな心の持ち主で、私たちは、トラブルが起こるたびに、青ざめながらも内心ワクワクした。
そして11月、ケンイチと私、タカシを含む3人で2週間の旅をした。バックパッカーのキッチンでご飯を作ったり、夜中までラウンジで話し込んだり。私とケンイチは笑いのツボとか、変なものをカワイイと思う感覚が、かなりの確率で一致していて、ただ、ただ、一緒にいるだけで、おもしろくて仕方なかった。
12月、私がファームステイしていたビーファームに、ケンイチが突然やってきた。「あのさー、俺あと16セントしか持ってなくってさー、ここまで来るのもガス欠スレスレで来たんだよ。ここで働かせてー。」と普通なら一大ピンチのこの状況で、相変わらずのほほ〜んという感じでやって来た。運良く、ケンイチは働ける事になり、私たちは1ケ月程一緒に働いた。ある日、夕食を食べながら、ケンイチがボソッと言った。「力ヨコと一緒にいると、俺太るんだよねー。メシ食いすぎちゃうんだよ。」普段から、みんなとりあえず、ウマイと言って私の作ったご飯を食べてくれているけれど、この言葉は誰の「ウマイ」よりも、私には特別うれしかった。ふたりで、よく笑い、よく悩み、とりとめもない話をいつまでもしていた。大らかで、誰にでも優しくて、国籍、男女、年齢問わず、みんながケンイチを大好きだった。いつでも前向きのケンイチを尊敬したし、弟のような親友ケンイチが大好きだった。
2000年11月、ワーキングホリデーから帰国後、わずか半年あまりで、彼は急性の心臓発作で帰らぬ人となった。秘密のパスポートを持って、またどこか遠い国へ旅立ってしまった。私は、死んでしまったと認めたくなくて、『旅に出た』と思う事によって、それを受け止めている。事実はあまりにも悲しすぎるから。夜の浜辺で、今にも落っこちてきそうな星の群れを見ながら、「すごいね」「すごいね」と感動しながらふたりで口をぽっかり開けて夜空を仰いでたあの日、確かにとなりにケンイチは存在していた。あの時の波の音と、海からの湿った風の感覚と一緒にケンイチの全部を忘れずにいたいと思う。たくさんの思い出ありがとう、ケンイチ。('99.5〜'00.11)